【シリーズ№61】「栃木県における労働者の生活と企業経営の新展開に関する調査報告書」

【シリーズ№61】「栃木県における労働者の生活と企業経営の新展開に関する調査報告書~働き方改革とSDGsへの取り組みと意識を手掛かりに~」

研究者
元宇都宮共和大学教授 鈴木博
国士舘大学名誉教授 山﨑弘之
大東文化大学名誉教授 岡村宗二

「はじめに」より

かつて20世紀の後半に体験したような経済的繁栄を日本が再現する可能性はあるだろうか。現状では、そうした期待をもつことは難しいように思える。20 世紀の当時、日本企業が優れた技術を持ち、高品質の製品を世界に供給する輸出大国として世界から評価された。その生産に従事していた働き手も、マイホームや家電品その他の家財を手に入れ、豊かに生活することができた。しかしながら今日では、20 世紀末から現在まで低経済成長が続き、そうした光景は過去の思い出話である。 熱意や意欲をもって活動した当時に比べ、既存企業や人々の姿勢に勢いがない。世の中にデジタル化の波が押し寄せる最中、これまでの旧式の仕組みや制度を新しいものに変える必要があるにも拘わらず、日本社会の動きは鈍い。
ここで、当調査研究に従事する私たちの問題意識を述べると以下の通りである。当調査研究に従事する3人が、居住・地元出身・多年の常連ビジターの形で当栃木県という地方に深く関与していることに端を発している。栃木に対して愛着が増す一方、当地における地域課題が長期に亘って放置されているとの実感もある。当事者としての栃木県民が同様に居心地の悪さを感じていることは、当生活研究所における過去幾多の調査研究からも明らかである。かくして、「働き方改革」や「SDGs」の新しい取り組みなど直近の日本社会の動きの中で、栃木の企業や労働者が新旧の諸課題をどのように受け止めこれにどう取り組むかを、新企画の本調査研究で探りたいと考えた次第である。
私たちの調査研究は、2022年春現在での栃木県所在事業所および労働者個人へのアンケート調査を通して、企業経営活動や労働者個人の生活実態の把握を試みるのである。そして、21世紀における人々や企業社会・組織に望まれる方向を見定める必要から、本調査研究報告書は上記アンケート調査に二つの関連する論述を加えた構成とする。もちろん、労働者や企業が生活や経営現場で抱える課題に即対応すること、旧式の仕組みや制度を一朝一夕に変革することは至難の業である。しかし、傍観の課題放置に陥らず、本報告書が栃木県の勤労生活者や企業および世帯・組織団体による革新意欲を刺激し、社会の新しい仕組み・制度への転換の動きに弾みをつけることができれば幸いである。

~報告書概要~
1 アンケート調査の概要
2 アンケートの回収状況
3 事業所アンケート調査結果の概要
4 組合員アンケート調査結果の概要
5 調査結果の概略および解釈とまとめ
6 労働者と企業組織の新展開にむけて
(1)企業社会および一般社会に制度改革をもたらす要因を探る -山崎弘之-
(2)人がよく生きる地域社会づくり:目指す自己実現 -岡村宗二-
7 あとがき

発行日:2023年1月31日
発行:連合栃木総合生活研究所
頒価:530円